王女さまの秘密 Reprisal Editionのレビュー

名作のリメイク

user:mokichi
2006年に頒布開始され完売後しばし聴くことの出来なかった1stが新たにリレコーディング+新曲+提供曲の収録とさらに豪華になって再登場。 リメイクに至るまでについては小狐丸さんのブログを参照!ということで、内容についてアレコレと書きます。

さて今作は各トラックのリレコーディングにより音質は大幅に向上同時に迫力も増強しております。
基本的にアレンジは大幅に変わっておらずクラシカルで壮麗耽美ながらポップな質感も感じさせる魅力はそのまま引き継がれていますが、新たに挿入されたストリングスやフレーズの作り直し等々によりほぼ別物に近い印象を受ける曲もあり、以前の作品を手に入れた人も十分に楽しめますよ。

睦鬼さんの歌唱力は前作から圧倒的に向上し、特に以前から格別の魅力であった表現力に関してはまさに真に迫る勢い、聴き比べてみると曲中の登場人物の印象がまた違うように感じられたり、その辺りも前作を聴いた人でも楽しめる要素かと思います。


最後に一押し曲を紹介。
Disc 1 tr.7「CROSS FIRE」
個人的な思い入れが強いということも確かにそうですが、それを差っ引いても、今回のリメイクで最も咲いた曲かと思います。
復讐悲劇的な世界観を背景に流れる物悲しいメロディ、溢れ出る感情を抑えるように切々と歌うボーカルに心奪われ、乱舞するチェンバロや荘厳なチャーチオルガンとオーケストレイション、クラシカルなフレージングのギターに酔いしれる。
何はともあれネオクラ好きは聴いてみましょう、好きじゃなくても聴いてみましょう、聴きたくなくても聴いてみましょう。
-----〆

この作品での唯一の不満は帯の保管が少し面倒ということだけ。
皆さん、この毒々しいほど耽美な世界に飛び込んでみてはどうでしょうか?