欠片の名前のレビュー

水準以上の作品

複数の女性ボーカルとコンポーザーが、統一コンセプトで作った作品である。

1)バック・トラックはオーケストラ的なアコースティック楽器と、アナログシンセ的ベースの、ある意味ありえない組み合わせ。マイナーコード。パーカッションの定位も打ち込みっぽく、ありえないが、そういうものなのだろう。

2)3拍子系。マイナーコード。アコースティック+シンセの組み合わせであるが、こちらはフュージョン的に納得のできる編成である。ボーカルはほとんどリバーブやエコーがなく、ドライな印象。

3)この作曲者は手慣れている。くにいさんの歌も上手い。幻想民族系というにはかなり曲調がポップ。基本メジャーコードでもある。

4)NHKドキュメンタリーや「ラストエンペラー」のサントラを思い出させるようなオーケストラ曲。二胡的なフレーズが後半で入るところも。転調はするが、基本的にはマイナー。

5)ジャジーで良い感じ。PFMか、シルク・ドゥ・ソレイユの音楽みたいな雰囲気である。

幻想浮遊系ジャンルの常といえばそうなのだが、歌詞はオペラ的というか、どの曲も複雑すぎるような気もする。リーフレット読み必須。しかし歌詞を追い込まなくても曲として十分聴きごたえがある。