
MiddleIsland(中島岬・紫) こちらこそお招き頂きありがとうございます。
中島岬(以下 岬) もともとゲーム音楽が好きで、ファイナルファンタジーとかドラクエとか。それで、ちょうど僕が高校生の時ですね。アルバイトしてパソコン買ったりして、そのころMIDIってものがあることを知って、幼い頃やっていたゲームの曲をMIDIでアレンジするっていうのがスゴイはやっている時期があって。それで活躍している人たちが自分と年齢も変わらず、かつ音楽経験も幼い頃からピアノをやっていたとかいう経歴ではなく、むしろ音楽の経験のない人たちが取り組んでいたんですよ。それが自分にも出来るんじゃないかってことで、使い道に迷っていたバイトで稼いだお金をそっちの方に機材とかつぎ込んで環境を整えて、僕もその世界に乗り込んだのが始まりですね。だから同人というよりインターネット媒体で曲を公開するところから入っていきました。
それからしばらくはインターネット上で、3年か4年くらいですかね、それくらい活動していて、尊敬していた、MIDIを始めるきっかけとなった人たちがコミックマーケットとかで売るようになってきていて、それで僕もやってみたいなと。
あとは紫さんと知り合って、歌ものを録りたいなという気持ちで今に至る感じで、その時その時で好きなことをしていたら同人の世界にいたという感じで、今もそのまま好きなことをやるDTM小僧のままいるという感じですね。
紫 専門学校が一緒だったんですよ。学科は違ったんですけど、親しいグループのメンバーの中にいて。
岬 そうですね、まず学生の時に仲良かったという感じで、その中で歌とかそういうのでこの人とやりたいなというのがあって。それで同人に行くときに即売会ではCDを作って売ると言うことになるじゃないですか。せっかくCDにするという面では、今までやってたインストの延長で行くのではなく、企画らしいものを一つやってというものをやろうと思って、今までやったことのないボーカル作品を作ろうと思った感じです。だから最初はこれっきりかもしれないし、という話だったし、先は考えて無くてただやってみたかった感じです。
岬 作曲は「やるぞ」と言ってやりますね。曲が降って来るという表現をされる方もいますけど、あまりそういう感じではなく、こしだす感じで。鍵盤から出るまでひたすら弾いて。
紫 お風呂で思いついたりとか良く聞くけど、そういうのはないの?
岬 若い頃はありました(笑)まだセンスが神がかっていた頃は。今はものすごくたくさん曲が必要とされていて、暇があれば作る感じで、もちろん良い曲を作ることが前提ですけど、降りてくるまで待っていたら全然こなせないんで。
紫 私は歌っているときは、歌うしかないですけど。あ、歌っているときは煙草が多くなります。人生の中で一番タバコ吸う瞬間がレコーディングの時です(笑)作詞は前はファミレスとかに行って書いていたんですけど、最近は自室でパソコンにしながら出来るようになりました。散歩しながらということはないですね。
紫 良く聞かれるんですが、彼が曲作っている間に私は別の曲の詞を作っていて、出来上がったら交換して、曲付けて詞付けてという感じで。
岬 半々ですね。
紫 ただ、CDによっては詞先で行こうとか、今波に乗っているからメロディー先で行こうとか、そういうのもあります。
紫 TERRAさんに会えたことです。ものすごい影響を受けたというか、意識が変わりました。
岬 おおげさになっちゃうけど・・・。
紫 スペクタクルな事言っちゃえばいいよ(笑)
岬 この宇宙に降りたって~じゃなくて(笑)やっぱり、学生の時から何かに夢中になると言うこともなく、友達も多いというわけでもなく惰性に生きてきた中に、夢中になれることが見つかって、夢中になれることの同業の仲間とかファンの方とかが増えて、自惚れでしかないとは思っていますけど何か一つのことが出来るという自身と、それに繋がる人たちと巡り会えて、本当に楽しい、やりがいを感じられていることですね。今は同人のことばかり考えて生きているので・・・同人音楽が僕のすべてです(笑)
紫 同人って自分が発信したものを気軽に聴いて貰える場じゃないですか。私にとってはすごくありがたいことですね。
岬 自分のやりたい音楽のスタイルが同人に合っているというか、好き勝手やって、それを聴いて貰えるというのは・・・。他の形で音楽をやっていたら、こういう風に楽しみながら音楽は出来ないんじゃないかなと。
紫 あまりないよね。何かある?
岬 んー。社会とちょっと遠くなってしまったこととかかな?(笑)
紫 私が悶絶さんのところのレビューを見て、Etherさんの「Coppelia」。あれが凄くイイ、「クサい!クサい!」書いてあったから試聴してみたら凄く良かったんです。それでCDを買いまして、Coppeliaのレビューをmixiに書いたら桜璃さんに見付けて頂いて、冬コミの時に会って二サークルでやれたらいいねっていうのが最初です。
岬 俺とRyoさんが運命的な出会いをして、お互い一目惚れだったっていう。
紫 手に手を取り・・・ってそんなわけないよ。(笑)
岬 ややこしくしちゃうね(笑)
こっちは紫さんが入り口だったんですけど、むこうはこっち一番初めの作品から聴いてくれていて、結構好きでいてくれたらしいんですよ。音楽的な面で両思いだったというので、お互い尊敬しあえるという部分があって話が弾みまして。それと、それまでお互いあまり仲の良いサークルもいなくて、その辺で仲良くなって4人で会ったり、コンポーザー同士で飲んだりとかで、自然とコラボレーションしてみようと言う話は結構前から出ていたんですよ。
紫 同じ頃にイベントでデビューして、一緒にイベントの雰囲気を味わっていた同士で、という感じで。
紫 これは桜璃さんだよね。
岬 そうですね。とあるメイド居酒屋で打ち合わせをしたときに桜璃さんが、原案みたいのを「こんなのどうですか」と考えてきてくれて。それをそのまま皆で同意した感じです
紫 タイトルとかも桜璃さんが考えてくれて。
岬 企画力というか、そういう・・・なんだろ・・・、俺は妄想力だと思うんだけど、それの力が凄くあるんですよ。
紫 乙女が持っているスキル、妄想力
岬 こうしたら面白いという部分と、こうしたら互いに力を発揮できるなという部分がうまくついてきた感じです。
岬 お互い別々にやってきたので、スケジュール面で大変な部分はありましたね。
まだ出会って間もなかったので、あのときはまだ敬語で話してたと思いますし、互いに気を遣っていた部分もあったと思うんですよ。試聴とかも遠慮している部分もあって・・・
紫 人付き合いとしての最初の気遣い合いですね。いまはそれがないからこそ、そういう風に振り返られていて、その時大変だったかというとそういうわけではないと思います。
岬 やりたいな、というくらいですね。
紫 私は中島に委ねてますね。私はMiddleIslandの"サポート"ボーカルで、歌と作詞でお手伝いさせて頂いているだけなので、そういうのの決定権とかは中島にあって、私は彼のひいた辞書みたいな感じで、選択肢の一つでしかない感じです。
岬 MiddleIslandでこういうのやりたいなというので、夏・秋・冬と企画が自分の中で決まりつつあって、コラボCDはものすごくやりたいし刺激しあえるし勉強になるんですけど、スケジュールを考えると・・・。純粋にファンの後押しが無くてもやりたいなと思っているところと、自分のこともやりたいというところと、その辺の折り合いが難しくて。いずれはやりたいなと思っています。
岬 うーん・・・。なんだろう。モヤモヤする。
岬 もっとやりたいって事を伝えたいんですよ。
紫 「だけどホントはコラボしたいです」って書いて貰えば(笑)
岬 ほんとしたいんですよ。
紫 うちも受け身なんですよ。うちらの間だけでもあそことコラボしてみたいよねって話も恐れ多くて出来ない感じで。
岬 やっぱ歌い手さんですよね。
紫 私も興味があるんですよ。MiddleIslandの曲を7割5分方私が歌ってきたわけですよ。いろんな声質の方があふれているじゃないですか。答えが私じゃないバージョンを聴きたいなというのがあるんですよ。
岬 紫さんと違うタイプというのでいろいろなタイプがいるとおもうんですよ。二人では出来ないようなことが出来る人とやりたいですね。
岬 結構いろんな人とやったからなぁ。いくつか水面下で動いているのがあるんですよね・・・。ロータスルートオーケストラの悠花さんと前々からやりたいと話をしてて、まだ秘密なんですけど、この夏やりまして。
紫 もう出てるよ。
岬 あれ、じゃあ秘密じゃないか。やりたいと思っていたのでやれてよかったです。
紫 一つ夢かなったね。
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岬 あります!
紫 09年の夏コミでは中島岬さんと紫さんは喧嘩しようと思います。CDの中で。コンセプトとしては、まず疾走系の曲を集めていて、中島さん全編に渡って歌ってよという感じです。中島さんがコーラスしているところとかは、コーラスもあるし彼の生み出した楽曲と私のボーカルのガチンコみたいな感じで。
岬 次のアルバムはツインボーカルではないですけど、しっかりとしたサブボーカルとしてクレジットできるような面で参加してこうと思っています。正直ちょっとビクビクしてるんですけど。
美味しいフレーズは俺のところにもってくるようにしています。
紫 しょうがないので他のところで喰っていこうと思います(笑)
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岬 次何をやるかという企画の段階で、「ボーカルをやりたい」「インストをやりたい」というその時の感情の起伏や思いつき、その時の気分でまず何を作るかを決めたりします。ボーカルものを次のイベントで出すはずだったのに、急にインストやりたくなって変えて、ボーカルものを2曲くらい出来ているのに一回見送ったこともあります。
ボーカルものは企画的にも大きくなりますし、制作日数も必要になってくるんですよね。質とか人に聴いて貰うという点でしっかりとした企画・大きい企画と決めた時はボーカルになるときが多くて、自己満足に走りたいとか好きなことやりたいとか、あと急に思い立ったりするときはインストを出したくなりますね。そういうのは、その時にはまっているアーティストに影響を受けていますね。
紫 多分ボーカルものをやるときは、私という他の人間とやらないといけなくて、そういうところで少しずつ溜まっていった鬱憤がインストでバーンとはじけるみたいな
岬 正直そうです。
紫 悪い意味ではなくて、自分個人で、自分がしたいように出来るのがインストだから、そうやってやりたいことの採算をつけていく感じじゃない?
岬 そうだね。やっぱり人と何かをするというのは、ものすごく潤滑に進んで、良いものが出来ても、ストレスみたいなものが小さくても若干は出てくると思うんですよ。そういうので、帳尻合わせて、学生からやってきたインストの方をやりたくなる事はありますね。
岬 まず僕はルーツをたどるとゲーム音楽が好きできたので、そういう依頼が来るのが凄い憧れでしたね。やっぱりBGM、Back Groundという部分で、あまり音楽がやたらと前に出てきてゲームの邪魔にもなってしまうというところまではやってはいけないと思っているんですよ。でも、それを多分やってしまっているんですよね(笑)
サウンドトラックを購入して、それ単体で聴き込むものって、メロディアスで曲単体としてもある程度完成しているものが多いんですよ。なのでBGMだからとあまり退屈なものも作りたくないし、自分らしさも出したい面もあるんですが、やはりクライアントさんがいるので、自分が作るインストとは若干違いを持たせたいという意識もあるんですけど。実際は依頼はたくさんはこなしてないので、その折り合いが自分の中で思っているものと完成した楽曲でどこまで出来ているかというのは分からないんですけど。
クライアントさんにもいろいろあって、飛翔システムさんとか今までやったところは比較的自由にやらせて頂いているんですよ。イメージを伝えて頂いたら、あとは僕が受け取ったイメージのまま作って下さいという企画だったので、ガチガチな制限が無くやりやすく出来たんですけど、そういう面で逆にバックグラウンドに行くという面をちょっと疎かにしてしまっているのかなという部分もありますね。
今後どうしていけばいいのかというのは自分の中で迷いであるんですけど、クライアントさんがイイというなら、若干前に出るのもやっても良いのかなと思いますし。例えば飛翔システムさんのMAGICAL BATTLE ARENAは格闘的なイメージがあるじゃないですか。ゲームのジャンルによってある程度前に出ていいものとか、ちょっとBGMじゃないと邪魔になるものとかあるじゃないですか。そういう面で分けて聴きやすく、ある程度単体でも聴けるようなものを作りたいと思っています。
岬 いやー、実はやりたいんです。アレンジ出身なので、依頼さえなければオリジナルを書いている感じなんですけど、やっぱり妄想でこの曲アレンジやりたいなと言うのは結構たくさんありますね。
紫 それは東方で?
岬 東方もそうだし、他のゲームでも。正直クロノトリガーはいつかやりたいなと思っています。クロノと幻想水滸伝はやりたいメーターが振り切れる時期がありましたね。でもオリジナルでやりたい事の方が先になってしまいますね。
岬 ありません。
紫 話が持ち上がればやっては行きたいですね。うちらが企画するって事は今のところ無いんですよ。ライブ企画するよりはCDを作りたい方が大きいので。
岬 そうですね。ライブはものすごい時間がかかるんですよね。自分たちで企画をした場合じゃなくても練習とか大変ですし。そう思うとその時間もCDリリースの方にも回したいなと。でも今年なって結婚式で弾かせて頂いたり、ライブで出演させて頂いたり、皆の前で発表する機会が増えているんですよ。なので練習だけはしていて、今後ライブはやりませんというわけではないです。やっぱり手間の面を省けば、やりたいと思っているので、練習などライブの下積みみたいなものはやっていきたいと思っています。
岬 あります(笑)実は昨日も練習していました(笑)
紫 ライブの企画はないのに(笑)
岬 紫さんは凄く頼りになるんですけど、MiddleIslandは僕主宰のサークルなので、彼女に依存しすぎず、ソロとかできればいいなと思って練習しています。
紫 万全な体調で臨みたいですね。3ヶ月くらい前からしっかり体作って、最近体力だだ落ちなので。
岬 僕は、生バンドとかで一度やってみたいですね。
紫 そうだね。

岬 そのスタンスはまだ決まって無くて、「こう行く」という決まった形態が無くて模索している感じです。企画にあったものをジャケットにしていく感じで。
紫 写真かぁ。写真にすると売れないんですよ(笑)写真は取っ付きにくいのはありますよね。
岬 絵だと同人CDらしい同人CDになりますね。
紫 でも、ちょっとダークめな、シックな感じの絵とかあまりそぐわないCDになら、企画によってはあるかもしれませんね。
岬 実際ジャケットとかも企画を始めてから話し合う感じで、MiddleIslandだからこういう方向でというのはないので。
紫 JAM Projectと椎名林檎・東京事変、MintJamが大きいですね。あとはちょこちょこ自分の中でブームが起きているもの。ちょっと前だと平原綾香さんのノクターンとか、最近だとanNinaさんとか。
岬 僕は最近はアニソンばっかですね(笑)
普段からテレビとかラジオとかあまり見ないので、音楽の入ってくる入り口がアニソンしかない感じで。あとは同人ものとか。今は一番EtherのWishを一番聴いてます。同人とアニソン半々くらいで。
紫 私少し前にオールディーズブームが来た。私のルーツとなる音楽があって、多分誰でも知っている曲で、Cheryl LynnのGot To Be Realとか。あの辺のダンスミュージックを一番始めに聴いたのがルーツなんですよ。歳の離れた姉が、昔流行っている時期にそれを聴いていて、一緒に聴いてたんですけど、それのブームが再燃して。あとはJanis Joplinとか。でも基本的には聴く音楽は少ないですね。
岬 僕は好きなことをやってきているDTM小僧なんですよ。僕は今のDTM活動今の段階が良くて、今が楽しくてしょうがない状態なんです。それで、この先どうなりたいかというのは曖昧で、具体的にこうなりたいというのは無いですが、同人をやる上では、上は目指していきたいですね。
好きなことをずっとやれて、どんな環境になっても今の気持ちを忘れたくないです。そこら辺が迷いだったりもするので、その辺りを固めることも目標だったりしますね。
紫 凄く遠回しに言いますけど、MintJamさんとかAsrielさんとかの後輩になりたいです(笑)野望ですからね(笑)
まず自分がどの位置に立っているかを確認しつつ、常にレベルアップすることを忘れずにいたいというのが目標ですかね。
紫 MiddleIslandを知らない方もまだまだいっぱいいると思うんですけど、是非一回聴いてみて頂いてみて下さい。いろんな人に聴いて貰いたいですし、聴いて貰えるように頑張っていきたいです。これからも頑張っていきます。
岬 今後も同人音楽をより一層ガッツリやっていくので、未熟な部分をしっかりとして皆さんの期待に少しでも応えられるように、いろんな事に幅を持って音楽活動をしていこうと思いますので、応援よろしくお願いします。即売会では気軽にお声をおかけ下さい。